ご葬儀の知識

エンディングノートの書き方|何を書けばいい?項目別に解説

エンディングノートは、自分の情報や希望を書き残し、もしものときに家族が困らないようにするノートです。「何を書けばいいか分からない」という声をよく聞きますが、項目を知れば、書きやすいところから始められます。
先に要点をお伝えします。エンディングノートには法的効力はありません。財産の分け方を法的に決めたい場合は遺言書が必要です。ただし、医療の希望や連絡先、口座やサブスクの情報など、遺族が知りたい実務的な情報を残せる点で、とても役立ちます。全部を一度に書く必要はなく、書けるところからで大丈夫です。

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エンディングノートとは(遺言書との違い)

エンディングノートは、希望や情報を自由に書き残すものです。一方、遺言書は、財産の分け方などを法的に定める書類です。この違いを理解しておくことが、両者を上手に使い分ける第一歩になります。

エンディングノート 遺言書
法的効力 なし あり(要件を満たした場合)
書き方 自由 法律で形式が定められている
主な内容 希望・情報・メッセージ全般 財産の分け方・相続の指定など
費用 市販品で数百〜千円程度 公正証書なら手数料がかかる

たとえば「長男に自宅を継がせたい」という財産の分け方の希望はエンディングノートに書いても法的な拘束力がありません。相続で確実に実現したいことは遺言書に、気持ちや実務情報はエンディングノートに、と役割を分けると、両面をきちんと伝えられます。

遺言書については「遺言書の書き方」で解説しています。

書いておかないと家族はどう困るか

エンディングノートがないと、遺された家族は「何がどこにあるか」の手がかりがないまま、手続きを進めることになります。たとえば次のような困りごとが、実際によく起きます。

  • どの銀行・証券会社に口座があるか分からず、資産の把握に何か月もかかる
  • 加入していた生命保険に気づかず、受け取れるはずの保険金を請求しそびれる
  • 延命治療の希望が分からず、家族が重い判断を背負うことになる
  • 訃報を知らせるべき友人・知人の連絡先が分からない

こうした「本人しか知らない情報」を一冊にまとめておくだけで、家族の負担は大きく変わります。エンディングノートは、自分のためというより、残される家族への実務的な引き継ぎ書と考えると、書く目的がはっきりします。

書くべき項目一覧

書きやすいところから、少しずつ埋めていきましょう。全部の項目を埋める必要はありません。

基本情報・資産

  • 氏名・生年月日・本籍・マイナンバーの保管場所など
  • 銀行口座・証券・保険・年金・不動産などの資産(暗証番号やパスワードそのものは書かず、「どこにあるか(保管場所)」を示す)
  • 借入金・ローンなどの負債

資産の情報は、遺族が相続手続きを進めるうえで最も助かる項目です。特に、家族が把握していない口座や保険があると、手続きから漏れてしまうことがあります。

医療・介護の希望

  • 延命治療を望むか望まないか
  • 介護が必要になったときの希望(在宅か施設か)
  • かかりつけ医・持病・常用薬

これらは、本人の意思が確認できなくなったときに、家族が判断を迫られる場面で役立ちます。

葬儀・お墓の希望

  • 葬儀の形式・規模・宗教(家族葬か一般葬か、無宗教か等)
  • 連絡してほしい人のリスト(訃報を知らせる範囲)
  • 遺影に使ってほしい写真
  • お墓・納骨の希望

葬儀は、亡くなってから短時間で多くを決めなければなりません。希望が書かれていれば、家族が「本人はどうしたかっただろう」と悩まずに済みます。

デジタル遺品(ID・契約)

  • 利用しているネット銀行・証券・サブスクの一覧
  • スマートフォン・パソコンのロック解除の手がかり
  • SNS・メールアカウントの扱いの希望

近年、遺族が最も困るのがこのデジタル関連です。課金が続くサブスクや、家族が存在を知らないネット口座があると、解約・相続の手続きが難航します。

デジタル遺品の整理は「デジタル遺品の整理方法」で解説しています。

家族へのメッセージ

  • 感謝の言葉や伝えたいこと(法的効力はありませんが、気持ちを残せます)

形式は自由です。家族一人ひとりへ手紙のように書く方もいれば、一言だけ添える方もいます。法的な効力はありませんが、遺された家族にとっては、財産の情報よりも心に残るページになることが少なくありません。気負わず、思い浮かんだときに書き足していくとよいでしょう。

書き方のコツ・よくある躊躇

  • 全部書こうとしない:書けるところから。空欄があってもかまいません。完璧を目指すと手が止まります
  • 鉛筆やフリクションペンで下書きする:気持ちや状況は変わるもの。あとで書き換えやすい筆記具にしておくと更新のハードルが下がります
  • パスワードは直接書かない:ノート自体を紛失・盗難したときのリスクがあるため、保管場所を示すにとどめる
  • 保管場所を家族に伝えておく:せっかく書いても、存在を知られていなければ意味がありません。「いざというときはここにある」と一言伝えておく
  • 定期的に見直す:資産や連絡先は変わるので、年に一度、誕生日など決まったタイミングで更新を

「縁起でもない」とためらう方もいますが、エンディングノートは残された家族への思いやりです。元気なうちに書くほど、内容も充実します。近年は、終活の一環として50〜60代から書き始める方も増えています。

どこで入手できる?

  • 市販のノート:書店・文具店・通販で数百〜千円程度で購入できます。項目があらかじめ用意されているため書きやすい
  • 自治体の無料配布:市区町村によっては、終活支援の一環でエンディングノートを無料配布していることがあります(お住まいの自治体窓口・ウェブサイトで確認してください)
  • パソコン・アプリ:デジタルで管理する方法もありますが、遺族がアクセスできるかに注意が必要です

どれを選んでも構いませんが、初めて書く方には、項目があらかじめ用意された市販ノートや、自治体が配布しているものが書きやすくおすすめです。まずは一冊手に入れて、書けるページから埋めていくと、負担なく続けられます。

吹公社の事前相談でもお渡しできます

会館によっては常備していない場合もございますので、ご希望の方はあらかじめお電話等でご連絡の上、事前相談へお越しくださいませ。書き方やご葬儀に関する疑問・不安についても、スタッフが丁寧にお答えいたします。

よくある質問

エンディングノートに法的な効力はありますか?

ありません。財産の分け方など、法的に実現したいことは遺言書に書く必要があります。エンディングノートは、あくまで希望や情報を伝えるためのものです。

何歳くらいから書き始めればいいですか?

決まりはありません。近年は50〜60代から書き始める方が増えていますが、病気や入院をきっかけに書き始める方も多くいます。年齢よりも「元気で判断力があるうち」に始めるのが大切です。

パスワードはそのまま書いていいですか?

おすすめしません。ノートを紛失・盗難したときに悪用される恐れがあります。「保管場所」や「ヒント」を書くにとどめ、パスワードそのものは別の安全な方法で管理してください。

エンディングノートは、家族が困らないよう、自分の情報と希望を残すノートです。法的効力はないため、財産の分け方は遺言書で。医療・葬儀・デジタル情報など、書けるところから少しずつ始めましょう。書いたあとは、保管場所を家族に伝えておくことも忘れずに。

終活全体の進め方は「終活ガイド」でも解説しています。

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